映画「アイアムアヒーロー」を見た【感想】
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映画「アイアムアヒーロー」の感想
原作が好きだったので、映画「アイアムヒーロー」が大いに気になり見てきた。
アイアムアヒーローの作品情報。上映スケジュール、映画レビュー、予告動画。花沢健吾のベストセラーコミックを、大泉洋主演で実写映画化したパニックホラー。冴えない漫画家アシスタントの主人公・鈴...
リアルに吹き飛ぶZQNと、観ればわかるシンプルなシナリオ
とにかく頭が弾け飛ぶシーンなどCG技術の進化によりかなり生々しくて引いた。
映像技術は「よりリアルに」を追求し進歩していくのはわかるが、目玉が飛び出たり内臓がはみ出るのもリアルになってしまうのだなあと微妙な気持ちになる。
ストーリーは感染により人々が「ZQN」と呼ばれるゾンビのようなものに変貌していく世界で生き残った人間たちのサバイバル模様が描かれたもの。
原作の漫画でも余計な説明は無く読み進めていけばわかるように「画力」で勝負しているのが好きだったりするのだが、映画も説明セリフなどもほとんどなく「見ればわかる」仕上がりになっているのがよかった。
まだ原作も未完であるのですべての謎が解けるとかはないのだけれど、映画のラストも余韻をじんわりと味合うことができる素敵なものだった。
すべてが解決したわけでわないけど柔らかな安堵感に包まれている様子がとてもいい具合に撮られている。
もっともしびれた「英雄(ひでお)」が「英雄(ヒーロー)」になる場面
原作同様に主人公の英雄は情けない。 漫画のアシスタントとして十数年間、ただただペンを持ち続けてきた。 編集者からバカにされてもひたすらに書くことを止めなかった。
未来の見えない生活に同棲する彼女もブチ切れる。 突如ZQNが町に溢れパニックが起こるなか、猟銃でZQNを打ったと思いきやそれは妄想だった。
逃げ惑うなかで出会った比呂美ちゃんが仲間に狙われた時も助けることができず、「世界がひっくり返ったのに自分は何も変わらない」と情けない自分に泣く有様だ。
愚直さのみでヒーローになった男の姿を目撃した
クライマックスでは仲間の裏切りにより大量のZQNに取り囲まれる。 絶体絶命のピンチを切り抜けるため英雄が取った行動は!
猟銃で一発ずつZQNを打つ。 ただひたすら打つ。 腕がしびれてきても打つ。 ずーっと打ち続ける。 そして最後の1体を打ち終え、もう終わりだと思える危機を回避した。
世界がひっくり返っても変わらなかった英雄は、以前と変わらずただただ忍耐強く銃を打っただけだった。
そしてその愚直とも言える行為で「自分が守る」と宣言した通り、比呂美ちゃんを守り通した。
英雄という男の描かれ方は原作も映画もそう変わりはないのだけれど、映画では原作以上に英雄の愚直さに大きく感動させられた。
これがもっとも大きな収穫だった。