Netflixオリジナルドラマ『クリミナル』(全4編)のススメ
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ミステリ作品があるから生きている。
Netflixのオリジナルドラマ「クリミナル」という作品はご存じだろうか。
公開は2年前となるが、犯罪ミステリ好きにとってはたまらない作品。
すっかりハマった私はいまでも繰り返し視聴している。
「クリミナル」作品概要
4か国版による全4編
作品構成はイギリス編、ドイツ編、フランス編、スペイン編と4カ国版がある。 各編3~4話ほどなので、あっという間に一気見できるのではないか。
当初「リミテッドエディション」として登場したが、「イギリス編」のみシーズン2が2020年に公開された。
限られた環境のみで展開するドラマ
タイトルに「取調室」と書いたがあれは誇張。
厳密には、取調室、マジックミラーで仕切られた隣室、そしてそれら二部屋につながるエレベーターロビーが舞台となる。
その他一切のロケーションはなく、このごく限られた空間で物語が展開する。
4カ国各編、それぞれ演者は入れ替わるが、セットは同じ場所を使用している。
同じ空間で異なる言語・文化圏の事件が繰り広げられる仕掛けだ。
わたしはこの設定だけでゾクゾクする。
裁判所と取調室という違いはあるが、『十二人の怒れる男』という映画とよく似ている。
各話の概要
基本的に、各話ごとにひとつの事件が扱われる。
取調室で被疑者と刑事が対峙し、彼らの会話から少しずつ何が起こったのか、どういう状況なのかが明らかになっていく。
回想の映像なども一切ない。
せいぜいスクリーンに映る証拠品や関係者の写真が唯一外界の存在を示す。
ミステリ作品に関する個人的嗜好
ミステリ作品に惹かれる要素として、追う側と追われる側の関係性がある。 たとえ家族であったり恋人や親しい友人で会っても、どれだけお互いのことを知っているだろうか。
ミステリ作品において、事件を起こした追われる側、つまり犯人は孤独であるという設定が多くある。
そして犯人が引き起こす事件の複雑さは、犯人の孤独の度合いに比例する。
事件を解決するために犯人の動機に迫る必要がある。
ゆえに追う側は犯人の人間像を正しく理解することを強いられる。
「親密さ」という要素は少ないが、結果としてもっとも犯人の人間性を理解するのは刑事や探偵となる。
愛情はなくとも、もっとも理解する存在、その関係性にグッと気持ちを掴まれる。
取調室でその理解がピークに達する瞬間が大好物だ。
刑事は「やはりそうだったか」と自身の理解が正しかったことを知る。一方犯人は「こいつはぜんぶわかっていたか」と諦めと安堵の入り混じった感情に包まれる。
「ンアーッ!!!」となる。
つまこの「クリミナル」という作品は、その瞬間を毎話あじわうことができる恐るべき作品なのだ。
取調室がハイライトとなる他の作品
私がもっとも好きな犯罪ミステリドラマは、イギリスBBCによる「ライン・オブ・デューティ」という作品。
(2021/1/31時点、Netflixはシーズン5まで、AmazonとU-NEXTはシーズン3まで視聴可)
主人公は警察の警察、つまり警察組織内部の汚職を摘発する捜査班に所属している。
つまり追う側、追われる側どちらも警察という特殊な設定のドラマ。
アクションや銃撃など派手なシーンなどもあるが、各シーズン共通してハイライトは取調室。
もっとも火花が散り、狭い空間で人間たちの感情が振れに振れ、結末へと至る。
たまらん。
この作品については、いずれ次のシーズンが公開された後ぐらいに個人的偏愛駄々漏らし記事を書きたい。
最後に
ライン・オブ・デューティのこと書いてちょっと気が反れたが、「クリミナル」。
素晴らしい犯罪ミステリ作品としておススメしたい。
限られた条件があり、その制限を脚本、演出、演技で超えていく映像界の方々の素晴らしさに拍手を送りたくなる作品でもある。
Netflixの回し者ではないが、登録・解除が簡単にできるサービスなので試しに1カ月だけとか利用してみるのもありかと。
また、作品は限られるが登録不要で見ることができる作品もいくつかある。
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よき映像ライフを。